この記事では、2次関数の定義について書いています。
2次関数とは何か?
この問いについて、関数そのものの定義から確認しています。
関数とは?
まず初めに、関数という言葉の意味から確認していきます。
そもそも、関数とは、読んで字のごとく「数の関係」のことです。
そして、それがどのような関係かというと...
という関係です。
このとき、「\(\,y\,\)は\(\,x\,\)の関数である」といいます。
具体例
\(y=x+1\)
もちろん、これは「\(\,y\,\)は\(\,x\,\)の関数である」と言えます。
実際に、\(x\,\)に適当な数を入れて確認してみると...
\(x=1\,\)のとき \(\,y=2\)
\(x=2\,\)のとき \(\,y=3\)
\(x=3\,\)のとき \(\,y=4\)
\(\vdots\)
以上、\(x\,\)の値を\(\,1\,\)つを決めると\(\,y\,\)の値は\(\,1\,\)つに決まりました。
これぞまさしく関数です。
ダメな例
\(y=\pm\,x\)
\(\,\pm\,\)(プラスマイナス)は「\(\,+\,\)または\(\,-\,\)」という意味でしたね。
ここで、\(x\,\)に具体的な数を入れて確認してみると...
\(x=1\,\)のとき \(\,y=1\,\)または\(\,y=-1\)
\(x=2\,\)のとき \(\,y=2\,\)または\(\,y=-2\)
\(x=3\,\)のとき \(\,y=3\,\)または\(\,y=-3\)
\(\vdots\)
見ての通り、\(x\,\)の値を\(\,1\,\)つを決めると\(\,y\,\)の値は\(\,2\,\)つ出てきてしまいました。
これでは、関数と呼ぶことはできません。
ここまでの話で関数の意味は分かってもらえましたよね?
関数記号f(x)
さて、高校数学では、\(\,f(x)\,\)という表記方法が新たに登場します。
\(f(x)\,\)とは、英語で関数を表す\(\,\rm{function}\,\)の頭文字\(\,\rm{f}\,\)をとって、「\(\,x\,\)の関数」という意味です。
たとえば、先ほど触れた\(\,y=x+1\,\)について
\(x=1\,\)のとき \(\,y=2\)
\(x=2\,\)のとき \(\,y=3\)
\(x=3\,\)のとき \(\,y=4\)
\(\vdots\)
関数の値はこのように表していましたね。
ここで、\(f(x)=x+1\,\)とすると...
\(f(1)=2\)
\(f(2)=3\)
\(f(3)=4\)
\(\vdots\)
このように表すことができます。
先ほどよりも書くのが少し楽になりましたね。
\(f(x)\,\)がわからないという人がたまにいますが、あくまでも表記方法なのです。
「\(\,x=1\,\)のとき \(\,y=2\)」と表記しても「\(\,f(1)=2\)」と表記しても、どちらでも構いません。
ただそれだけの話です。
2次関数とは?
それでは、本題の\(\,2\,\)次関数について話を進めていきます。
\(2\,\)次関数とは...
\(y\,\)が\(\,x\,\)の関数であり、その関係式が
\(y=ax^{2}+bx+c\) (\(\,a\neq0\,\))
で表されるとき、「\(\,y\,\)は\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次関数である」という。
つまり、\(2\,\)次関数とは、\(y\,\)が\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次式で表されている関数のことです。
ちなみに、この式における\(\,x\,\)や\(\,y\,\)のような相伴って変わる数のことを変数といい、\(a\,\)や\(\,b\,\)や\(\,c\,\)のような値の定まった数のことを定数といいますので、合わせて覚えておいて下さい。
また、ここで押さえておきたいのは、\(a\neq0\,\)という条件です。
もし\(\,a=0\,\)ならば、\(x^{2}\,\)の項が消えて\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次式ではなくなってしまいます。
\(y=bx+c\)
これはもはや\(\,1\,\)次関数ですね。
ただし、\(b=0\,\)や\(\,c=0\,\)であるのは問題ありません。
\(b=c=0\,\)のとき
\(y=ax^{2}\)
式はこうなりますが、\(y\,\)は\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次式で表されていますので、れっきとした\(\,2\,\)次関数です。
この\(\,y=ax^{2}\,\)という場合のみを中学数学において\(\,2\,\)次関数として扱っていましたね。
高校数学では、もっと広範囲に\(\,2\,\)次関数を扱います。
具体例
\(y=2x^{2}+3x+4\)
\(y\,\)は\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次式で表されていますので、これは\(\,2\,\)次関数と言えますね。
ここで、\(f(x)=2x^{2}+3x+4\,\)とすると...
\(f(1)=2\cdot1^{2}+3\cdot1+4=9\)
\(f(2)=2\cdot2^{2}+3\cdot2+4=18\)
\(f(3)=2\cdot3^{2}+3\cdot3+4=31\)
\(\vdots\)
実際に数値を代入して途中式も書いてみました。
\(f(x)\,\)の\(\,x\,\)に何か数値が入れば、右辺の式の\(\,x\,\)にその数値を代入すればよいと考えて問題ありません。
この機会に関数記号\(\,f(x)\,\)の使い方にも慣れておきたいところです。
まとめ
\(x\,\)の値を\(\,1\,\)つを決めると\(\,y\,\)の値が\(\,1\,\)つ決まるとき、「\(y\,\)は\(\,x\,\)の関数である」という。
\(y\,\)が\(\,x\,\)の関数であり、その関係式が
\(y=ax^{2}+bx+c\) (\(\,a\neq0\,\))
で表されるとき、「\(\,y\,\)は\(\,x\,\)の\(\,2\,\)次関数である」という。
以上、関数及び\(\,2\,\)次関数の定義を確認しました。
定義は数学の勉強において最も重要ですので、正しく理解しておいてください 。