1次不等式の解法 | 基礎事項を丁寧に解説【数学I】

この記事では、1次不等式の解法について書いています。

不等式の表し方

そもそも、不等式とは、不等号(\(\,<\,\)や\(\,>\,\))を用いて大小関係を表した式のことを言います。

誰もが知っているとは思いますが、不等号の口が開いている方が大きく、口が閉じている方が小さいという意味です。

たとえば

\(x<2\) 「\(\,x\,\)は\(\,2\,\)より小さい」「\(\,x\,\)は\(\,2\,\)未満」

\(x≦2\) 「\(\,x\,\)は\(\,2\,\)以下」

\(x>2\) 「\(\,x\,\)は\(\,2\,\)より大きい」

\(x≧2\) 「\(\,x\,\)は\(\,2\,\)以上」

それぞれの不等式の意味を示しておきました。

不等号の下に「\(\,=\,\)」がある場合は、その数も含まれます。

不等式の性質

ここで、不等式の性質について確認しておきます。

  1. \(A<B\,\)ならば\(\\[0.75em]\)
    \(A+C<B+C,~A-C<B-C\)
     
  2. \(A<B,~C>0\,\)ならば\(\\[0.5em]\)
    \(AC<BC,~\displaystyle\frac{A}{C}<\displaystyle\frac{B}{C}\)

    \(A<B,~C<0\,\)ならば\(\\[0.5em]\)
    \(AC>BC,~\displaystyle\frac{A}{C}>\displaystyle\frac{B}{C}\)

性質1について

\(A<B\,\)ならば\(\\[0.75em]\)
\(A+C<B+C,~A-C<B-C\)

この式が表す意味とは

両辺に同じ数を足しても大小関係は変わらない
両辺から同じ数を引いても大小関係は変わらない

ですね。

この性質を利用して\(\,x-y>0\,\)という不等式をイジってみます。

両辺に\(\,y\,\)を足すと...

\(\begin{eqnarray}x-y&>&0\\
\left(x-y\right)+y&>&y\\
x&>&y\end{eqnarray}\)

これは不等式においても方程式と同様に移項が認められることを示しています。

不等式で移項ができるという事実は必ず押さえておいてください。

性質2について

\(A<B,~C>0\,\)ならば\(\\[0.5em]\)
\(AC<BC,~\displaystyle\frac{A}{C}<\displaystyle\frac{B}{C}\)

\(A<B,~C<0\,\)ならば\(\\[0.5em]\)
\(AC>BC,~\displaystyle\frac{A}{C}>\displaystyle\frac{B}{C}\)

この式が表す意味とは

両辺に同じ正の数を掛けても大小関係は変わらない
両辺を同じ正の数で割っても大小関係は変わらない

両辺に同じ負の数を掛けると大小関係は逆転する
両辺を同じ負の数で割ると大小関係は逆転する

ですね。

ここで特に押さえておきたいのは、両辺に負の数を掛ける(両辺を負の数で割る)と不等号の向きがひっくり返るということです。

たとえば...

\(2<3\)

この不等式は当然成り立ちます。

しかし、両辺に\(\,-1\,\)を掛ける、あるいは、両辺を\(\,-1\,\)で割ると...

\(-2<-3\,\cdots\,?\)

この不等式は明らかに成り立ちませんよね。

もう一度言いますが、両辺に負の数を掛けたり、両辺を負の数で割ったりすると、不等号の向きがひっくり返ります。

これは不等式を解く上でとても重要なことです。

1次不等式の解法

それでは、基本問題を通じて\(\,1\,\)次不等式の解法を解説していきます。

(問) 次の不等式を解け。

\(2x+3<4x-5\)

\(1\,\)次不等式の解法は、基本的には\(\,1\,\)次方程式の解法と同じです。

まずは、移項して「\(\,ax<b\,\)」の形にもっていきます。
そして、両辺を\(\,x\,\)の係数で割れば終了です。

\(\begin{eqnarray}2x+3&<&4x-5\\
2x-4x&<&-5-3\\
-2x&<&-8\\
x&>&4\end{eqnarray}\)

はい、できました。

この問題では、両辺を負の数\(\,-2\,\)で割る際に不等号の向きがひっくり返ることに気をつけてください。

まとめ

\(\,1\,\)次不等式は\(\,1\,\)次方程式とほとんど同じ解き方で解くことができます。

ただし、最後にもう一度言いますが...

不等式の両辺に負の数を掛けたり、両辺を負の数で割ったりすると、不等号の向きがひっくり返ります。

このことだけは絶対に忘れないようにしてください。